5・7・5・7・7で表現する豊かな日常(前編)

今回お話を伺ったのは、宮崎県歌人協会に所属しながら、江南書房という名前の版元を運営している二宮信さん。宮崎県・延岡市出身で、盲目の歌人であったお父さまのもとで育ったという二宮さんに、今回の国文祭・芸文祭みやざき2020で開催される、「みやざき神話のふるさと短歌大会」についてお話しをうかがいました。

宮崎にはたくさんの隠れ歌人が? 

今回の「みやざき神話のふるさと短歌大会」へは、全国から897首もの作品が集まりました。その中から、審査員によって選ばれた10作品が表彰され、大会当日にはその講評を聞くことができます。また、歌人として活躍されている小島ゆかりさんによる講演も見所の一つ。二宮さんに国文祭・芸文祭2020に参加したきっかけについて聞くと、「国文祭・芸文祭は47都道府県を順番に回っていくもの。ということは47年に1度しか携われないわけですから、いい機会かなと思って。」とのこと。

「今回運営事務局となる宮崎県歌人協会には、200名ほどの歌人が所属しています。他県では短歌の組織がないところもあるようで、そういった県では行政が主になって運営されているようですね。宮崎の短歌人口は、潜在的な人を含めても500人くらいはいるのではないでしょうか?他県に比べても活発に活動している団体も多い方だと思いますよ。宮崎県歌人協会は個人登録なので、それぞれが入会して、毎年自分が詠んだ歌から厳選した10首を提出し、それを活動実績として1冊の本に編纂するのも、主な活動の一つですね。」

31文字で表現するワンシーン 

選考委員には、短歌文学の分野で傑出した功績を挙げた歌人らに贈られる『若山牧水賞』を受賞した先生も。本大会では全国から集まった897首の中から10作品が表彰されます。表彰が終わると、16名の審査員が選んだ作品について講評していきます。31文字の中で、自由に表現する短歌の世界ですが、審査員に評価されるポイントはどのようなところにあるのでしょうか?

「審査員の先生たちも数多くの作品を見てこられているので、新鮮な作品が評価されることが多いですね。ですので、若い方や経験の浅い方々でも受賞されることがありますよ。経験や知識で詠もうとしない分、素直でいい作品ができるのだと思います。」 

ベテランの詠む作品だけが評価されるわけではないというのは、意外なようにも感じました。「なるほど」と短歌作品に思いを巡らせていると、二宮さんは短歌における“共感”の重要性について続けます。

「31文字の中で、どれだけ読者に共感してもらえるか。評価をする上でも共感できる作品かどうかは大事なポイントになってきます。言いたいことはいっぱいあるけど、制限があるからこそ無駄をそぐことができる。でも、俳句の17文字に比べると、それよりは少しだけ言いたいことを付け足せる。簡潔だけど、簡潔過ぎない。その“遊び“の部分が面白いのではないでしょうかね。」

後編へ続きます!