スポーツとアート、表現のコラボレーション

香港からのゲストは映像出演に

んまつーポス×UNLOCK DANCING PLAZAによるコンテンポラリーダンス公演『空想運動会』。以前『こくぶんこ・げいぶんこの文化旅行』でもインタビューさせていただいた豊福彬文さんが代表を勤められる『んまつーポス』の皆さんと子どもたちによる公演です。本来であれば香港から、UNLOCK DANCING PLAZAの皆さんがゲストとして参加される予定でしたが、コロナ禍である現状を踏まえ、映像での参加となりました。

空想の運動会のはじまり

音楽とともにステージが始まると、会場に流れるアナウンスの指示に合わせて、子どもたちが歩いたり走ったり、飛び跳ねたりと、とにかく楽しそうに体を動かしている様子が印象的でした。「一体どこまでが決まっていた演出で、どこからがアドリブなのだろう?」と考えてしまうほど、それぞれがそれぞれの感性で身体表現をしていて、まさしく“空想上での運動会”そのものといった様子。振り付け通りに踊ればいい、という考えではない『んまつーポス』らしい表現方法です。

大迫力のダンス

その後、セットと音楽が切り替わり、会場に大迫力の重低音が鳴り響きます。子どもたちをメインとしたステージとはうってかわって、んまつーポスの3人が繰り広げる独創的で大胆なダンスに、観客として訪れていた子どもたちも夢中な様子。彼らの指差す方向を思わず目で追いかけたり、コソコソと耳打ちをして、「今のどうやったんだと思う?」と話しをしたり。箱を使ったパフォーマンスには大変おどろき、後半には我慢できずにそわそわと動き出してしまう子も。「子どもが楽しめる大人の作品を創りたい」という豊福さんの言葉が思い出されます。

運動会の記憶を呼び起こす

今は空想運動会の中の、どんな競技が行われているのだろう?と想像しながら観ていると、あっというまに次の演目。UNLOCK DANCING PLAZAのビデオ出演へ。映像とのコラボレーションをする中で、んまつーポスとはまた違う、映像ならではの表現などもなされていて、リアルタイムで共演することができなくても、むしろその状況を楽しんでしまおうという心意気を感じられる作品でした。美しい身体表現の中にどこかコミカルさが残り、スポーツの中で見るあんな動きやこんな動きを、ありありと思い出すことができました。んまつーポスの活動の起源についてお話を伺った上で観劇することで、より理解も深まり、感動することができると感じました。

1時間強の公演でしたが、終演まではほんの一瞬。観客が退屈をする暇のない素晴らしいステージでした。前回のインタビューでは「観終わって気持ちが暗くなるのではなくて、逆にスキップして帰っていくような作品にしたいんです。心も体も軽くなるような、そんな舞台が目標です。」とも話してくださった豊福さん。その言葉の通り、来た時よりなんだか体が軽いような、自分の体を使ってどんなことができるんだろうとワクワクするような、素敵な余韻の残る公演でした。

写真提供:Ayano SO