大正琴が和と輪をつくる(前編)

突然ですが、皆さんは大正琴という楽器をご存知ですか?
もともとはタイプライターに着想を得て作られたという、弦楽器の一種です。どんなふうに演奏して、どんな音が出て、どんな曲を演奏されるのだろう?
それすらも想像できない方も少なくないかもしれません。そこで今回お話を伺わせていただいたのは、大正琴、琴伝流大師範の福山珠恵さん。大正琴の魅力や「国文祭・芸文祭みやざき2020」への意気込みについて、お話を聞きました。

宮崎と仙台での修行時代

45歳の時、妹さんと一緒に大正琴を始めた福山さん。スタートこそ宮崎でしたが、旦那様の転勤で仙台に住んでいた頃、琴伝流の本部で練習を積まれたのだそう。宮崎に戻ってからも活動は続けられていましたが、大正琴の地位向上のためと、宮崎初の琴伝流支部を立ち上げます。

「国民文化祭は今回の宮崎大会で35回の開催になりますが、大正琴が国文祭のプログラムに入ったのは最近です。あまりポピュラーではなかったんですね。大正琴を始めた当時は地域の交流センターの文化祭などでも、コーラスや三味線はリストに載るのに、大正琴は『その他』とくくられていました。みんな真剣に取り組んでいて、レベルも高い演奏をしているはずなのに。このままではいけないと思い、平成4年に琴伝流の宮崎支部を立ち上げました。それまで先生方がそれぞれ開催していた大会も一本化して、毎年県大会を開催するようになりました。」

お世話になった仙台のために

バイタリティ溢れる福山さんですが大正琴の宮崎県大会にまつわるエピソードとして、東日本大震災の時のことも話してくださいました。

「東日本大震災の時には、被災地を応援したいという思いがあり、自粛ムードが蔓延する中においても宮崎県大会を開催し、被災地へ送るための募金を募りました。遠く離れている宮崎で大会をやめてしまったら、みんな元気がなくなってしまうのではないかと思って。当時は、少しでも大正琴を通して出会った方々のお役に立てればという思いでしたね。」

現在視覚障害者の方々へ大正琴の指導をされており「彼らから教えてもらうことの方が多いです」という福山さん。自分のできることで、人の役に立とうと考えられている利他の精神が、お言葉の端々から感じることができます。大正琴の魅力について聞いてみると「やはり一番は楽しいこと、そして大正琴を通して全国にたくさんの友達ができたことですね。」とお話しいただきました。

後半へ続きます。

「大正琴の祭典」
期間:2021年10月10日(日曜日)
時間: 10時30分〜15時00分
会場:宮崎市民文化ホール 大ホール
入場料:無料