大正琴が和と輪をつくる(後編)

前編では「国文祭・芸文祭みやざき2020 大正琴の祭典」に参加される琴伝流大師範の福山珠恵さんに、大正琴のことやこれまでの経歴について伺いました。後編ではさらに、今回の大会への意気込みや大正琴の魅力についてお話を聞いていきます。

仲間がいるから演奏できる

今回の「大正琴の祭典」では、総勢42名で演奏する予定。毎年行われる全国大会など大きな大会には、多い時で100名ほどのメンバーで演奏することもあるのだそうです。それもそのはず、大正琴は単音楽器なので、一つの楽器では1音しか出すことができません。和音を出そうと思ったら最低でも4名の演奏者が必要になります。仲間がたくさんできたのも、ここまで大正琴を続けている理由だという福山さん。「だから仲間との輪が必要なんです。」とも話してくださいました。

「今日はアルトとテナー、ベースとソプラノそれぞれの演奏者の方に来てもらって練習しています。毎年県大会や、琴伝流主催の全国大会、テープ審査を経て、勝ち進まなければ出場できないコンサートなど、目標があるので皆さん真剣に練習に取り組まれていますよ。去年は県大会も開催できませんでしたが、『大正琴の祭典』に向けて、大人数で集まって練習することはできないながらも、こうして少数で集まって練習を続けています。琴伝流大正琴の曲は全部で1,500曲もあるんです。民謡からクラシックなどいろいろなものがあるので、若い方達が演奏される舞台などでは、ドラムやキーボードを入れて演奏したり、アニメの曲を演奏したりと自由に楽しまれていますよ。」

誰もが自由に楽しめる楽器

それぞれの曲をアレンジするのを許されているのも、琴伝流ならではの面白さなのだと、福山さんは続けます。

「私自身、始めた当初は、琴なんてお年寄りがやるものだと思っていたから、恥ずかしくて楽器を、子供たちが使っていたバレーボールのケースに入れて運んだりしていました。それがだんだん家で演奏しているうちに、家族に褒められるようになって、みんな『絶対続けた方がいいよ』と言ってくれて。片手で弦を押さえて、片手でキーを押して、と違う動きをするからボケ防止にもなりますしね(笑)
始めてから40年近く経つわけですが、ここまで続けてこられたのも、とにかく楽しいからだと思いますね。こんなに楽しい楽器はないですよ。だって、自分で楽譜が作れるんですから。基礎はもちろんきっちりやるけれど、基礎から広がっていく発想がとっても面白いんです。」

自由な感性を育むために

大正琴を通して、全国に本当にたくさんの仲間ができたのだと振り返る福山さん。最後に、「大正琴の祭典」をどんな方達に観に来てもらいたいですか?と聞くと、ぜひお子さんや、そのご両親にも観に来ていただきたい、とのこと。

「全国から集まる大正琴愛好者が中心となった一般の部の団体演奏も行われますし、18歳以下の演奏者が対象になる『令和2年全国子供大正琴コンクール』と『令和3年全国子供大正琴コンクール』に勝ち抜いた子ども達が、宮崎に来て演奏をすることになります。子供たちや親御さんたちに観ていただきたいのは、大正琴という楽器に触れ合うことが、子供達の自由な感性の成長に繋がると思っているから。実際に聞いてみるととても迫力がありますよ。」

「大正琴の祭典」当日は観覧無料。どなたでも観にいくことができます。琴のイメージを覆すような迫力ある演奏を聴きに、ぜひご家族やご友人と、足を運ばれてみてはいかがでしょうか?

「大正琴の祭典」
期間:2021年10月10日(日曜日)
時間: 10時30分〜15時00分
会場:宮崎市民文化ホール 大ホール
入場料:無料